地震保険は必要か?地震保険に入った方がいい家と地域、その理由を保険代理店が解説

地震保険

地震保険というものについて、今は様々な場所で見聞きするものですが、それは日本で大規模な地震災害があるたびに、注目度が上がっているからです。

令和6年能登半島地震や、8月に政府より発表された「南海トラフ地震臨時情報」など、特に直近は地震への備えについての関心が急上昇しています。

保険得々チャンネルで地震保険について取り上げた動画(2020年6月)でも、一部地域で有感地震が頻発していたこともあり、地震保険に関する知識、必要性は皆さんに知っていただきたい情報です。

この記事では、地震保険の歴史や特徴、加入の意義を考察し、特にどのような損害が地震保険でカバーされるのかを具体的に解説します。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

地震保険とは

地震保険とは、一言でいうと地震や噴火、津波が原因で受けた損害を補償する損害保険です。

地震保険の例:お家ドクター火災保険

地震保険のできたきっかけと歴史

地震保険は、日本において1966年に導入されました。

新潟地震(1964年 M7.5)などの大規模な地震の発生が契機となり、地震災害に備える必要性が認識されるようになりました。

新潟地震とは
新潟地震(にいがたじしん)は、1964年(昭和39年)6月16日13時1分40.7秒に、新潟県の粟島南方沖約40km(北緯38度22.2分 東経139度12.7分 深さ34km)を震源として発生した地震である。
(中略)
この地震を機に住宅地や工業地帯の液状化現象への本格的な研究が始まった。また、日本で地震保険ができる直接的な要因となった震災としても知られ、この2年後、1966年(昭和41年)に地震保険制度が誕生した。
出典:新潟地震 wikipedia

地震保険制度が誕生する以前は、大規模な地震被害が発生しても地震による損害を直接補填する仕組みはありませんでした。
そのため、震災後に多くの家屋が被害を受けた場合の経済的な損失が社会問題となり、地震保険制度が構築されたのです。

地震保険の必要性

地震保険は比較的高額に感じられるケースも多く、インターネットで検索すると『地震保険は必要なのか?』というワードをよく目にします。

現代の建築技術は地震への耐震性能が格段に向上しています。

ただ大きな地震に耐えることができるだけではなく、その大きな地震が続けて複数回起きた場合でも耐えることが出来るような耐震住宅など、耐震性能は年々技術力が向上しているのです。

そのため、価格の件と併せて『地震保険は、本当に必要なの?』という意見がおおいわけです。

この必要性について判断するには、地震保険にしかできないことの存在が重要です。

火災保険は火災自体だけではなく、水災や飛来物による損害、汚損破損など様々な損害を補償してくれるものが増え、なおかつ自分に必要な補償を選べる自由設計型などもたくさんあります。
住宅に関する損害は火災保険や住宅総合保険で大丈夫だと思うかもしれませんが、実は地震が原因の損害は、地震保険でしか補償されません。

ここからは、その地震保険でしか補償されないもの・状況・ケースについて紹介します。

地震保険でしか補償されないケース

地震保険は、例えば地震の揺れによって建物が倒壊、もしくは損傷するといった損害を補償するだけではありません。


出典:地震保険とは|お家ドクター火災保険

実は地震が原因の火災や、津波による水災など、一見すると火災保険などでも対応していそうな損害でも、地震と津波、噴火が原因の場合は地震保険でしか補償されないのです。

そういった地震保険だからこそ補償されるケースについて解説します。

地震による火災損害

地震が原因で発生した火災は、通常の火災保険では補償されません。

地震による家屋の倒壊が原因で発生する火災や電気火災などのリスクは地震保険が必要です。

特に、2011年の東日本大震災の際には、地震の揺れによって電線がちぎれたことで発生した火花が建物に引火するといった事例が多く発生しました。

しかし、こういった火事は地震が起きた時以外にも起こりえる火災原因です。
何故、地震がかかわっていると火災保険の対象外になってしまうかというと、火災が起きた後の状況が大きく異なるからです。

通常の火災であれば、消防署に連絡して消防車が消化しに来てくれます。

地震が原因の火災は、地震が起きたばかりなので交通状況が悪く、最悪だと道路や地面が走行不可になる場合もあります。
そもそも電話自体もつながらない可能性だってあります。

火災への対応状況が全く変わってしまうため、同じ損害として補償を適用することは難しいと判断された結果、地震が原因の火災は火災保険の対象外です。
※保険商品によっては、火災保険に地震特約がついているなど、地震由来の火災が火災保険の一部に組み込まれている形の保険商品もあります。

地震による火災損害の定義

  • 自焼/類焼を問わず、1回の地震(本震から72時間以内の地震は1回とカウントする)
  • 地震発生から10日以上※経過した際の地震は補償されない(停電復旧後の通電火災などは、地震発生から経過した日数によっては補償されない…)
  • など

※日本損害保険協会 – 損害保険Q&A – すまいの保険 – 問62 地震保険 参照

津波による洪水損害

津波による洪水で浸水した家屋の損害も地震保険でのみ補償されます。

津波は地震に伴って発生する自然災害であり、その被害は甚大です。

通常の火災保険は津波を原因とする洪水を対象としていないため、地震保険の重要性が際立ちます。

津波による洪水損害の定義

  • 台風が発生した際に起きる高潮は、通常の火災保険の対象になる(地震保険の津波による水災には該当しない)
  • 地震による津波と断定できるものが地震保険の補償対象。

液状化現象による損害

地震が起きた際によく聞く液状化というワードも、地震保険の補償内容に入っているケースが多いです。

液状化現象とは
液状化現象(えきじょうかげんしょう)は、地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象。単に液状化ともいう。
これにより比重の大きい構造物が埋もれ、倒れたり、地中の比重の小さい構造物(下水道管等)が浮き上がったりする。この現象は日本国内では、1964年の新潟地震の際に鉄筋コンクリート製の建物が丸ごと(潰れたり折れたりではなく)沈んだり倒れたりしたことで注目されたが、この地震当時は「流砂現象」という呼び方をされていた。
出典:液状化現象 wikipedia

地震による地盤の液状化によって建物が傾いた場合、3度(分数にすると52/1,000)傾くと全損と認定されます。

例え建物自体は無事だったとしても、1~2度傾くだけで生活に支障が出る場合もあるため、傾きも十分損害と言えます。

壁にひびが入ったなどの軽度の損傷とは異なり、建物全体を対象とした大規模な修繕になる上に、地震が起きた後はその地域で同様の依頼が相次ぎますから、最低限の費用でパパっと直すということは難しいでしょう。

液状化現象による損害の定義

  • 地震の揺れによって地下水面が上昇するなど、地震が原因だと判断される液状化現象が対象
  • 洪水や豪雨によって地下水面が上昇した場合などは火災保険の水災補償にあたる
  • 建設工事や地下水の過剰なくみ上げが原因の場合は、それを行った業者等に賠償請求するとして、保険では対象外になる
  • 住宅建造時に起きた問題が原因の場合など、瑕疵補償保険で補償される場合がある

地震保険が必要な場所とは

地震保険の補償内容などについて詳しく解説してきましたが、ここからは以上の内容を踏まえて、保険代理店の視点で地震保険に入っておいた方がいい地域や環境といった条件についてお話しします。

木造住宅が密集している地域

地震保険や火災保険は、建物の構造によって耐久リスクを判別しており、その中でもリスクが高いとされている木造住宅は、耐震性や耐火性がRC構造の住宅に比べて低いと考えられています。
木造であっても耐震等級が高い構造の建物はありますが、隣接している住居がそうでない場合、崩れた隣家の建物が自宅に衝突し損壊するといったケースも想定できます。
そのため、木造住宅が密集している地域は、火災保険も含めて、大規模な災害への備えが必要でしょう。

特に、地方自治体などにより密集市街地に指定されている地域に住んでいる場合は、地震保険への加入をお勧めします。

密集市街地とは
密集市街地とは、老朽化した木造住宅等の建築物が密集していて、しかも十分な避難道路や避難公園、緑地などといった公共施設がないことから、その特定防災機能が確保されていない市街地を指す。こうした密集市街地の整備・再開発を進めるため、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集法)」を定め、密集市街地整備促進事業や防災街区整備事業などを推進している。
出典:密集市街地とは スーモ 住宅用語大辞典

海に近く津波の影響を受ける地域

文字通り、津波による被害を受けやすいことが想定できるため、海のそばに住宅がある場合は地震保険の加入をお勧めします。

災害が起きるリスクが高い地域は保険料が高いと思われがちですが、保険料の判断基準になる基準料率によっては海のそばでも保険料がそこまで高くならないケースもあります。

基準料率は都道府県ごとに区分が分けられており、被災リスクだけではなく人口の多さなども関係しています。
これは、災害が起きるリスクというより、保険会社が多額の保険金を支払う状況が発生するリスクを基に設定された区分だからです。
また、海水による水災だけではなく、豪雨や台風による水災も考慮したものなので、海のそばだからと言って保険料が高いという訳ではありません。

海の近くだから津波に関する補償は高額だろう、とあきらめずに、一度保険料を調べてみましょう。

各保険会社では、ホームページに建物の構造・住所・保険金額を基に保険料を算出するシミュレーション機能を掲載しています。
お住まいの住所で保険料を調べてみてください。

宅地造成から時間がたっていない地域

近くに海や水辺がない環境でも、例えば池や沼を埋め立てした土地であった場合、造成してからあまり時間がたっていないと液状化による被害を受けるリスクが高くなります。

実際に、東日本大震災では震源から遠い群馬県にて、造成宅地で滑動崩落による被害が多く報告されました。

平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東日本大震災などでは、大規模に盛土を行った造成宅地で滑動崩落による被害が多く発生したことから、国はこういった地震による被害を軽減するため、「宅地耐震化推進事業」を創設し、調査の手法を示した「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説」(以下「ガイドライン」と表記)を策定しました。
出典:大規模盛土造成地マップの公表について/前橋市

造成してそれほど時間が経っていない土地は、地震によって災害に発展する可能性があります。
周辺に海や大きな川がない場所でも、建築確認書や過去の記録などを調べて、造成工事の有無を調べておきましょう。

 

以上の内容は、家禄堂『保険得々チャンネル』で動画解説しています!
メディアでは語れないもっと踏み込んだ内容についても触れているので、ぜひご覧ください。

地震保険へのみなさんの反応

動画には、地震保険について以下のような声が寄せられています。

コメント部分スクリーンショット
https://www.youtube.com/watch?v=odI5uW62IL0

この動画には以下のような声が寄せられています。内容を分かりやすくするために一部要約しています。

Question Icon

隣家で地震が原因の火災が発生し、その火が自家に燃え移り自家が全焼した場合は補償されますか? 隣家の火災発生原因は地震なので、自家の火災も「地震が原因の火災」となり、地震保険でないといけないのでしょうか?

Answer Icon

自焼、類焼を問わず通常の火災保険では補償されず「地震保険」が必要になるケースがほとんどです。 これは通常の火災保険は通信インフラや交通インフラが健全な場合を想定してリスク分析を行っているため、通信、交通の両インフラがマヒ状態の震災時には建物全焼リスクが健全時に比べて非常に高くなるためで、リスク設定の前提条件が異なる通常の火災保険は効力を発揮できなくなることが要因です。

Question Icon

3階建ての家が傾いています。 1階から2階にかけて:タイルの目地が割れている 2階:窓が傾いていてドアの締まりが悪い 3階:特に酷い 保険で保証出来るとすると何が当てはまりますか?

Answer Icon

状況から読み取れます範囲でですが、この「傾き」が住宅新築から10年未満に起きた事なら「瑕疵補償保険」の適用が最も可能性が高いと思います。詳しくは私の動画「瑕疵担保責任保険って何?」の回を見て頂きたいのですが、今回の事例では最も可能性が高いと思います。 また、今回の「傾き」が地震によるもの(液状化や地盤の崩壊等が必要ですが・・)であれば家屋の傾きの度合いによっては「全壊認定」が降りる場合もあります。やはり保険の場合、不具合の発生した「原因」に強く焦点を当てますので、その「原因」が何かにより判断が変わります。

Question Icon

保険会社の変更は出来ますか?

Answer Icon

保険会社の変更は可能ですが、保険会社が「有責(支払い責任有)と判断するのは、契約期間内に起きた事故に限るとなりますので、現在の損害は現在の保険会社に相談するしかありません。

地震保険の補償内容と必要性のまとめ

地震保険は、日本における地震リスクを軽減するための重要な保険制度です。

耐震技術が進化しても、地震に伴う火災や液状化、津波による被害には備えが必要です。

特に日本では地震が頻発しており、過去の震災からも学びながら、地震保険を活用していくことが推奨されます。

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