火災保険や地震保険で『建物』に保険をかけている方もいると思いますが、そこに収納されている『家財道具』は災害や事故に遭った際、どのような補償があるのかご存じでしょうか?
今回は見逃されがちな家財の保険について解説します!
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家財とは
『家財』とは「建物に固定されておらず、生活の用に供する物」を指します。
『ビルドイン形式』でないものを、建物に固定されていないものと判断します。
細かな判別は保険会社によって微妙に異なりますが、ビスなどで家に固定されていないものと考えてください。
もう少し詳しく説明すると、次のようなものが『家財道具』に該当します。
家財道具に該当するもの
- 家具(タンス、机、椅子 など)
- 家電(冷蔵庫、洗濯機、テレビ、移動式エアコン など)
- 日用品(食器、衣類、寝具 など)
- 移動できるエクステリア(庭の置物、自転車、物干し台 など)
一方で、以下の例のような『建物に固定されているもの』は建物の一部とみなされ、家財道具に含まれません。
- 埋め込み式のエアコン(天井など)
- システムキッチン
- 造作家具(建物に固定されている食器棚やタンス等の収納棚)
- 塀や外灯(一軒家の場合)
「生活の用に供する物」とは
「生活の用に供する」という言葉は普段聞きなれないと思いますが、要は『日常生活で使うもの』を指します。
美術品(絵画や骨董品など)や宝飾品は、生活の用には供さない(生活のために使用しない)ものになります。
家財として保険の対象にすることは出来ますが、保険金の掛け方が通常の家財とは異なり、注意が必要です。
家財道具にいくら保険を掛ければ良いのか
家財を対象にする保険は、契約者で保険金の金額、もしくはそれに類する基準を設定するケースがあります。
その場合『家財道具』にいくら掛ければ良いか分からず悩む方も多いでしょう。
保険会社では、パンフレットやホームページで家族構成に応じた平均的な家財の価値を提示しているところもあります。
例えば、【40代夫婦・子ども2人の家庭】では、約1,500万円弱が標準的な家財の価値とされていました。
この基準額には箸や茶碗などの細かな物品まで含まれています。
世帯主の年齢 大人1人 大人2人 ~25歳前後 300万円 500万円 30歳前後 300万円 700万円 35歳前後 300万円 1,000万円 40歳前後 300万円 1,200万円 45歳前後 300万円 1,400万円 50歳前後~ 300万円 1,500万円 ~中略~
世帯主の年齢 大人2人・子供(18歳未満)1人 大人2人・子供(18歳未満)2人 ~25歳前後 600万円 700万円 30歳前後 800万円 900万円 35歳前後 1,100万円 1,200万円 40歳前後 1,300万円 1,400万円 45歳前後 1,500万円 1,500万円 50歳前後~ 1,500万円 1,600万円
高額な保険金額を設定すると保険料も上がるため、必要な保障額と保険料のバランスを確認することが大事です。
保険会社ごとに現在の生活スタイル・価値に合わせた指標を示してくれているケースが多いので、それを参考に金額を設定しましょう。
保険金額の目安を決めるポイント
災害や事故で家財が損害を受けた際に、『生活を再建するために最低限必要なもの』の総額を保険金で掛けていればベターでしょう。
例えば、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの、生活する上で最低限必要な物です。
人それぞれの価値観で、最低限必要な家財を再購入できる金額を設定することをおすすめします。
家財保険は家を再建するために、非常に大きな役割を果たすと言えるでしょう。
家財保険は、壊れた家財と同等のものを、新品価格で補償してもらえます。
(ただし、美術品や宝飾品については補償金額が異なります。こちらに関しては後述の『明記物件』をご覧ください。)
また、契約者自身の過失による破損であっても、『破損汚損・その他偶然事故』の補償をつけておくと1万円前後の免責(※)はつきますが(※保険会社により金額は異なります)補償対象となるため、家財保険を効率良く利用するためにも『破損汚損・その他偶然事故』の補償をつけることをおすすめします。
家財保険の注意点
家財によっては面倒な手続きが必要な物品や、補償対象にならない物品があります。
特に以下の項目について注意が必要です。
明記物件
『明記物件』とは、美術品や宝飾品など、生活の用に供さないものを指します。
このような家財に保険を掛ける場合は、事前に明記物件を申告する必要があります。
明記物件を申告せずに災害や盗難に遭った場合、補償対象外となってしまうため注意が必要です。
また、購入証明書(レシートや領収書など)や鑑定書などで、所有者と購入時の金額を証明できないと補償対象外となってしまうケースもあるため、証明できるようにしておきましょう。
家財保険は、『壊れた家財と同等のものを、新品価格で補償』と前述しましたが、明記物件は例外です。
美術品や宝飾品は、『時価』で補償額が判断されるため、購入時の金額が補償されるとも限りません。
この点を理解した上で保険を掛けることが大事です。
持ち出し家財
『持ち出し家財』とは、釣り道具やゴルフ用品など、屋外で使用するものを指します。
家財とは原則、屋内に収納されたものであるため、屋外に持ち出すものは補償対象外となります。
持ち出し家財に保険を掛けたい場合は『持ち出し家財特約』をつけることをおすすめします。
実際に起きた事例
家財保険の申告で、過去に実際に起きた例を紹介します。
ケース1.お茶碗が割れてしまった!
以前、ご契約者の方から「お茶碗を落として割ってしまった。補償対象になるか」と連絡を貰いました。
もちろん、ご自身の過失であっても免責金額を払えばお茶碗一つでも補償対象(※)です。
(※『破損汚損・その他偶然事故』補償をつけた場合)
お茶碗一つで家財保険?と驚く方もいるでしょう。
しかしそのお茶碗は、とある人間国宝の芸術家の作品だったのです。
割れてしまったものと同等のお茶碗の金額は80万円でしたが、この例では明記物件に該当するため、時価で判断されます。
鑑定の結果12万8千円と査定され、補償がおりました。
どんな小さなものでも、保険の申請が大事といえる事例でした。
ケース2.所有する日本刀に保険をかけたい
日本刀を2本所有されているご契約者の方から「日本刀1本につき200万円、合計400万円の保険をかけたい」と連絡を貰いました。
もちろん、どのような金額をかけるかは自由です。
しかしこの例も明記物件に該当します。
破損や盗難に遭っても、あくまで『時価』で判断されるため、保険で掛けた金額が全額戻ってきません。
実際、こちらの日本刀は1本数万円の査定結果でした。
美術品や骨董品は、全額戻ってこないことを理解した上で保険を掛けることが大事です。
ペットも補償対象になる場合がある
もし留守中に火事が起きて、家族の一員でもあるペットが被害を受けたら……。
想像したくは無いですが、そういった悲しい出来事が起きる可能性もあります。
保険金で悲しみが癒えるわけではありませんが、大事なことなのでこの辺りも事前に確認しておきましょう。
動物や植物は保険商品によって家財とみなされる場合と、そうではない場合があります。
ただし動物・植物を家財の対象とする特約が用意されていることもあるので、ペットを飼育している方は特約を追加しておくことをお勧めします。
そして死亡してしまった場合にのみ保険金を支払う、と条件が定められていることもあるため、怪我でおさまった場合のことも考えるのであれば、ペット用の保険も加入すると良いでしょう。
この記事の内容は、家禄堂『保険得々チャンネル』で動画解説しています!
メディアでは語れないもっと踏み込んだ内容についても触れているので、ぜひご覧ください。
ここからは、動画に寄せられた皆さんのご質問、ご感想をご紹介します。
家財保険について皆さんの反応
この動画には以下のような声が寄せられています。内容を分かりやすくするために一部要約しています。
家財保険についてまとめ
家財保険は、火災や自然災害、盗難などに遭った際日常生活を再建するための重要な手段です。
適切な金額を設定し、補償範囲や特約を確認することで、万が一の時のために備えておきましょう。
- 家財道具とは「建物に固定されておらず、生活の用に供する物」である。
- 保険金額は「最低限必要な家財を再購入できる金額を設定」するのがおすすめ。
- 明記物件や持ち出し家財など補償対象外となるケースには、事前の申請や特約をつける必要がある。
- 「家財道具」は新価で補償、「明記物件」は時価で補償。補償金額の違いに注意!
これらを踏まえ、ご自身の家庭に合った家財保険をぜひご検討ください。





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