保険的・地震が起きた直後にやるべきこと・やってはいけないこと

地震保険

地震の直後は命を守る行動が最優先です。
そのうえで、後悔しない保険金請求に備えるために「今は何をせず、いつ何をするか」を整理しておきましょう。
実際の災害対応の現場感覚にもとづき、地震保険を中心にポイントをまとめます。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

これまでの教訓:遠方巨大地震でも津波は来る

2025年7月30日8時25分ごろ、カムチャッカ半島沖でM8.8の巨大地震が発生しました。
震源はペトロパブロフスク・カムチャツキー沖約119km、深さ18km。
日本の陸地からは約3,000km離れた遠方地震で揺れは小さかったものの、津波は発生し、日本では津波注意報(高さ1m以下)が出た後に津波警報(1m超~3m以下予想)へと引き上げられました。

遠く離れた海域でも、海底地形やプレートの固着域(アスペリティ)の崩壊により、大きな津波が伝播する可能性がある――この“距離の錯覚”が最大のリスクです。

正常性バイアスに打ち勝つ合図を決める

正常性バイアスとは心理学の用語で、『非日常的な事象に遭遇した際に、脳が精神の平静を保とうとして「大丈夫」「大したことない」と思いこもうとする心理作用』のことです。
人は非常時でも「自分は大丈夫だろう」と思ってしまいがちです。
特に日本人は地震になれているといっても過言ではありません。

空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”によると、実際に東日本大震災の時は津波が目視できるようになってから避難を開始する人が多かったとわかっています。
参考リンク:正常性バイアスが災害時に与える影響は?具体例と必要な心構えを解説|空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”

たとえ小さな地震だと思えても、津波警報・避難指示が出たら迷わず高台へ移動するなど、“合図”を家庭内で決めておきましょう。

視認してからでは遅れます。保険書類を探して避難が遅れる事例もあるため、「命→避難→後で書類」は鉄則です。

まずは命を守る:地震直後の行動と保険上の考え方

地震直後は保険を気にしないで構いません。避難後に必要なことを落ち着いて進めれば十分対応できます。

状況/行動 保険実務上の要点 今やる/後でやる
避難が必要 保険証券不携帯でも請求は可能。身分証があれば受付可。 今は避難のみ
家屋・家財の損害確認 大規模災害時は写真確認のみで支払い判断されることが多い。 安全確保後に写真撮影
役所の手続き 罹災証明書は保険・公的支援の基礎資料。発行に時間がかかることも。 避難生活が落ち着いてから
損害拡大防止 応急処置・片付け前に写真。やむを得ない片付けは領収書保管。 帰宅後ただちに

地震保険のキホンを30秒で

もしもの時に慌てないように、あらかじめ地震保険に関するルールを把握しておくことも大切です。
基本的なことをざっくりまとめましたので、今のうちに確認しましょう。

対象と補償範囲

地震・噴火・津波による建物・家財の損害を補償します。
火災保険では原則カバーされない「地震が原因の火災・損壊・流出」も、地震保険が対象です。

支払われ方のイメージ

損害の程度(全損・大半損・小半損・一部損)に応じて、契約金額の一定割合が支払われます。
評価は“再調達価額”や時価額など、基準に沿った査定によります。

よくある勘違い

  • 火災保険だけで地震の被害も出る → ×
  • 罹災証明があれば必ず満額 → ×
    (証明は“被害があった事実”の公的裏づけ。保険の支払額は保険会社の損害認定で決まる)
  • 写真はその場ですぐ必要 → ×
    安全最優先。後日の撮影で問題ありません)

地震直後に「保険の視点」で気を付けること

もし地震が発生した時に、保険証券を持ち出そうとして避難するのが遅れたという話はよく聞きます。
家を修理する為に必要だからといって、避難よりも保険金請求に必要なものを優先してしまうと危険です。
どんなに慌てていても「避難と安全を優先して大丈夫だ」と思っていただけるように、万が一の時に気になってしまうポイントや、あまり知られていない地震保険請求時のポイントをまとめました。

以上の内容はこちらの記事でも解説しています。

地震が起きた時に大事なことは?地震保険金申請や二次災害の対策を保険代理店が解説
地震保険への加入をご希望のお客様にご案内や契約手続き等をおこなった後、「地震保険に入ったから、これで安心」というお声を聞くことが少なくありません。 もちろん、被害を受けた家や家財を再調達するための費用を支援するという意味では心強い保険です。...

1. 保険証券はなくても申請できる

契約者名・住所・連絡先が分かれば受付は可能です。
証券番号が不明でも後追いで確認できます。避難のために書類を探す行為は不要かつ危険です。

2. 罹災証明書は忘れずに申請

罹災証明書は自治体が住家被害の程度を判定する書類で、保険や支援金の基礎資料になります。
発行まで時間がかかるため、受付開始を確認し、可能であればオンライン申請や仮申請も活用しましょう。

3. 写真は「安全が確保できてから」「広角→寄り→詳細」で

以下の手順で撮ると、被害の状況が伝わりやすいです。

(1) 家屋全景(住所がわかる表札・通り・目印を含める)
(2) 部屋ごとの全景
(3) 損害箇所の中距離
(4) 破損のクローズアップ
(5) 型番・メーカー銘板。

日付が入らない機種でもOKです。後日データの撮影日時が確認できれば足ります。

4. 片付け・応急処置の前に

生活再建のために片付けが先でも問題ありません。
その場合はパパっとでも大丈夫なので片付け前の写真を撮っておきましょう。
撤去・購入のレシートや作業費用の領収書を保管することもお忘れなく。

家屋・家財の損害例と保険の扱いの目安

  • 建物の傾き・基礎ひび割れ・屋根瓦の落下:地震保険の対象。程度により支払割合が変動。
  • 津波による浸水・流出:地震保険の対象。全損認定の可能性が高い案件。
  • 地震後に発生した火災:地震が原因なら地震保険で対応(火災保険単独は原則対象外)。
  • 家電・家具の転倒破損:家財に地震保険を付帯していれば対象。型番や購入金額がわかる資料があるとスムーズ。

手続きフロー:混雑期でも迷わない3ステップ

罹災証明書が先なのか、保険会社にいつ連絡すればいいのかなど、焦っていると手順を忘れがちです。
多少前後しても問題はありませんが、請求のやり方も簡単にチェックしておきましょう。

ステップ1:連絡

契約している保険会社または代理店に連絡。
被害の概況(建物/家財、住まいの可否、連絡の取りやすい時間帯)を伝えます。
証券番号不明でも受付可能です。

ステップ2:記録と申請

安全が確保できたら写真撮影。
罹災証明書の申請準備と並行して、被害品リストを簡潔に作成します(部屋ごと・ジャンルごとに箇条書き推奨)。

ステップ3:査定対応

大規模災害時は“写真のみ確認”になることもあります。
鑑定人訪問がある場合は、撮影済み写真やリスト、領収書・見積書をまとめて示すと短時間で完了します。

平時の備え:避難が1分早くなる保険の仕組み

“持って逃げない”ために、用意しておくもの

  • スマホに保険会社・代理店の連絡先を登録(契約者用窓口直通)
  • 証券・明細の写しをクラウド保管(家族も閲覧可のフォルダに)
  • 住まい・家財の“平常時の室内写真”を年1回更新
  • 罹災証明の申請方法(自治体サイト)をブックマーク

見直しの観点

建物だけでなく家財にも地震保険を付けるか、免責や評価額の妥当性、ライフステージ(持ち物の増減)に応じた補償額の調整を、年1回点検しましょう。

 

この記事の内容は、家禄堂『保険得々チャンネル』で動画解説しています!
メディアでは語れないもっと踏み込んだ内容についても触れているので、ぜひご覧ください。


まとめ

地震直後は、とにかく命を守る行動が最優先です。
保険金請求のために書類や証券を探す必要はありません。
安全が確保できてから、全景→中距離→詳細の順で写真を撮り、罹災証明を申請し、保険会社や代理店へ連絡すれば十分に間に合います。
遠方の巨大地震でも津波は到達し得ること、正常性バイアスで避難が遅れがちなことを前提に、「合図を決める」「持って逃げない仕組みを作る」「平常時の室内写真を残す」の三点を習慣化しましょう。
いざというとき、1分の迷いが命運を分けます。準備は“いま”が最も低コストです。

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