意外と知られていないのが、保険金請求に必要な「正しい写真の撮り方」。
この記事では説明画像を想定した具体的なコツを、建物と家財に分けて解説します。
少なすぎず多すぎない“ちょうどよい枚数と構図”を一気に把握しましょう。
建物が損害を被った場合の写真撮影ポイント
写真が少なすぎると被害の状況が確認しにくく、多すぎても保険会社に送るのが大変。次のポイントを参考に撮影しましょう。
建物全体
建物の全体が入る構図で、理想は4方向から、最低でも2方向からの写真を撮影します。
分譲マンションの場合は、マンションの外観(建物名が分かる)と、共用廊下から自宅の玄関扉(号室が分かる)を撮影しましょう。
損害箇所が外観からは分からない状態でも、契約者・建物・損害を紐づけるために建物全体の写真はできる限り用意するのが理想です。
部屋全体
損害がある部屋の全体写真を撮ります。
可能なら3方向から、かつ損害がある部屋の数だけ撮影しましょう。
この写真は保険会社の担当者しか見ませんから、多少散らかっていても問題ありませんよ。
位置関係が伝わることを優先します。
損害箇所
損害が起きている部分は、引き(全体)→中距離→寄り(クローズアップ)の3段構図で撮影しましょう。
ひび割れなどは角度を付けると見えやすくなることがあります。
見やすさ・分かりやすさ重視で、必要に応じて角度違いも追加しましょう。
屋根など危険な場所は無理に撮影せず、修理業者に撮影を依頼してOK。
依頼時は「保険会社に提出したい」と伝えれば、写真付き見積もり等に対応してくれる場合があります(有料のこともあり)。
建物別撮影枚数・構図まとめ
| 項目 | 戸建て住宅 | マンション |
|---|---|---|
| 建物全体 | 2~4方向から | 外観+共用廊下から玄関扉(号室が分かる) |
| 部屋全体 | 損害がある部屋ごとに2~3方向 | ← 左記と同じ |
| 損害箇所 | アップ・引き・中間の3パターン以上×損害箇所数 | ← 左記と同じ |
| 合計の目安 | 最低7枚(被害状況に応じ増加) | ← 左記と同じ |
家財が損害を被った場合の写真撮影ポイント
家財の場合、建物と勝手が少し違います。
建物の修繕費は構造・地域・面積から相場推定しやすい一方、家財の再調達費は品目・型番・状態で大きく変わります。
さらに、型番などがないタイプの商品だった場合は、価格判定がもっと難しくなります。
修理と買い替えの見極めにも写真が重要です。
地震等では家財が散乱しがち。片付けを始める前に現状を確かな証拠として残す意識で、必要な写真をしっかり撮影しましょう。
部屋全体の写真
損害した家財が置かれている部屋の全体を撮影します。
地震の揺れで床に落ちた・倒れた場合は、まずは手を付ける前に全景を撮影してから片付けに進みます。
家財全体・損害箇所
対象家財は全体(引き)を複数角度から、損害部分のアップ、その中間距離の3段構図で。
ガラス割れ・へこみ・焦げ・水濡れ・泥汚れなど、損傷の具体が分かるように撮影します。
多数点(食器・本・衣類など)は数量が見える俯瞰+代表のアップで効率化しましょう。
家財の商品名・品番など識別情報
多くの家電・家具はメーカー・型番・容量等の表示があります。
可能なら銘板・ラベルのアップを撮影。
本体に表示がない場合は、説明書や納品書・保証書に記載された品番を、現物と一緒に写すとスムーズです。
オンライン購入の履歴画面を撮影してもOKです。
家財が損害を受けた場合の写真撮影ポイントまとめ
| 項目 | 撮り方 | 枚数の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 部屋全体 | 床・壁・天井を含む全景(位置関係が分かる) | 1~2枚/部屋 | 散乱状態は片付け前に撮る |
| 対象家財(全体) | 正面+斜め等の角度違い | 1~2枚/点 | 背景に置き場所が分かる要素を入れる |
| 損害の詳細 | 中距離→寄り(割れ・焦げ・水濡れ等) | 2~3枚/点 | 反射・ブレに注意 |
| 識別情報 | 銘板・ラベル・説明書・領収書等 | 1枚/点 | 可能なら購入時期が分かる資料も |
| 多数点(食器・衣類等) | 数量が分かる俯瞰+代表のアップ | 2~3枚/品目 | 山積み1枚は避ける |
損害の内容別写真撮影ポイント
保険の対象だけでなく、損害の内容・状況によっても必要な写真は変わります。
- 床上浸水:壁の水シミにメジャーを当てて高さを示す。コンセント位置やドア下端など基準物も一緒に。
- 風災等で窓ガラスが割れた:窓周辺の室内全景、床に飛び散ったガラス破片の有無も撮影。破片がないことで内側からの衝撃が疑われた事例もあるため、状況を客観的に残す。
- 隣家の類焼:自宅の被害に加え、隣家側の状況も撮影(撮影許可を得る)。延焼経路が分かる写真が有効。
- 屋根・外壁の損傷:危険箇所は無理をせず、業者撮影の写真やドローン撮影を利用。足場・高所作業はプロに任せる。
損害写真撮影でやってはいけないNGポイント
次のような写真はNGです。
最悪の場合、保険金の申請が却下・減額されることもあるので要注意。
- 逆光で白飛び/暗すぎて潰れる/手ブレ:判別不能。屋外は逆光回避、屋内は照明を増やす。
- 反射で詳細が見えない:フラッシュのギラつきや映り込みに注意。
- アップのみで位置関係が不明:必ず全景→中距離→寄りの順で。
- 枚数・角度が少ない:疑義を招く。角度違いを数枚追加。
撮影日時が判別できる写真じゃないとダメなのか?
スマホ・デジカメでOK。
画像データには撮影日時(EXIF)が保存されるのが一般的で、印字日付は必須ではありません。
ただし、プライバシーや設定で日時が残らない場合もあるため、可能ならカメラの日時を正確化し、ファイル名やメモで時系列を補完しましょう。
自動で撮影日時が写真に印字されるインスタントカメラもありますが、撮影内容がその場で確認できず、失敗に気づけないリスクがあるため、慣れていない場合は避けたほうが安全です。
まとめ
建物は全体(外観・号室の識別)→部屋全体→損害箇所3段構図、家財は部屋の全景→対象家財の全体→損害詳細→識別情報が基本。
少なすぎず多すぎないバランスとして、1案件あたり最低7枚を起点に、被害の数・種類に応じて角度違いを足しましょう。
危険箇所は無理をせず業者撮影を活用。
暗所・ブレ・反射を避け、第三者が同じ結論に至れる“客観的で再現性のある写真”を整えることが、迅速な支払いへの最短ルートです。










コメント