火災保険の保険料比較で失敗しないコツ!意外な落とし穴を保険代理店が解説

火災保険

火災保険に加入するときには、保険会社を複数選んで見積もりを比較することが多いと思います。
保険料が安いと魅力的に感じますが、実は保険料の安さだけで決めてしまうと、万が一のときに十分な補償を得られず損をしてしまうケースがあるので注意が必要です。
この記事では、火災保険料の比較で失敗しないコツと、安さを重視するときに陥りやすい落とし穴について解説します。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

火災保険料の比較とは

火災保険に加入する際には、いくつかの候補を出して補償内容や保険料を検討するのが一般的です。
火災保険の保険料は「保険料率」という基準によって決まりますが、その算出基準は複雑で公表されていない部分も多いです。
そのため、自分で複数社の見積もりを細かく取り寄せるか、保険代理店に保険料の比較を依頼する必要があります。
複数社の見積もりを自力で集めるのは手間も時間もかかるため、保険代理店を利用する方法がよく選ばれています。

しかし保険代理店を利用していたとしても、火災保険の保険料比較で失敗しないためにはコツが必要です。
そのコツについて、重要な用語やポイントをあげながら解説していきます。

火災保険料に関する用語解説

火災保険の保険料を考えるうえで重要な3つの用語を見ていきましょう。

  • 保険料率
  • 評価額(保険価額)
  • 再建築価格

保険料率とは

保険料率は、火災保険の保険料を算出するための基準となる数値です。
以下のような情報を基に設定されます(実際の算出基準は公表されていない部分もあります)。

  • 建物の所在地(都道府県など)
  • 建築年月日(築年数)
  • 延べ床面積
  • 構造(M構造・T構造・H構造など)
  • 実際の建築費用(土地価格を除いた費用)

また、保険料率は「保険価額 1,000円あたり何円」という形で設定されることが多いです。
たとえば、評価額(保険価額)が2,000万円の建物に対して、A社の火災保険が「0.7円/千円」の保険料率の場合は下記のように計算します。

2,000万円(=2,000,000円)× 0.7円 / 1,000円 = 年間14,000円

つまり、このケースではA社で契約した場合の火災保険料は年額14,000円となります。

評価額(保険価額)とは

評価額(保険価額)とは、火災保険の対象となる建物や家財の「保険上の価格」のことです。
建物の場合は、再度同規模・同構造の建物を建てるのに必要とみなされる金額であることが多いです。

再建築価格とは

再建築価格とは、評価額を算出するうえで基準となる「同等の規模と構造の建物を新たに建築するときの費用」のことです。
再築価額という表現をされる場合もありますが、本記事では再建築価格に統一します。)
特殊な工法や希少価値のある建材を使うと実際の建築費用が一般的な目安より高額になりがちですが、評価額はあくまでも標準的な費用を基準に設定されることが多い点に注意してください。

火災保険料を比較する方法

火災保険料を比較する際には、保険代理店を利用するのが効率的です。
代理店は各保険会社の保険料率や補償内容の違いを把握しているため、契約の目的や建物情報を伝えるだけで、複数社の保険料や条件を一覧にして提示してくれます。

保険の対象となる建物の構造や築年数、耐震等級などの詳しい情報をメモして持参すると、より正確な見積もりを出してもらいやすくなります。
すでにほかの火災保険に加入しているなら、その保険証券を見せると話がスムーズに進むでしょう。

保険代理店に相談するときは「新築中の自宅に火災保険を掛けたい」といった意向を具体的に伝えることが大切です。
なぜなら、保険会社は保険法を、保険代理店は保険業法を遵守する義務があり、さらに保険業法の改正によって、利用者の意向を把握・確認することが代理店の義務になっているためです。

代理店での比較検討を円滑に進めるためには、事前に「建物の構造や再建築価格のイメージ」「火災保険で優先したい補償範囲(例えば水災や風災の有無など)」を整理しておくとよいでしょう。
保険代理店と相談する時間も削減できますし、納得のいく補償を選択しやすくなります。

火災保険料の比較で重要なポイントと注意点

火災保険料の比較では、ただ安い保険を探すだけでなく、建物の評価額が過不足なく設定されているかどうかを確認する必要があります。
評価額を大きく下回る「一部保険」になっていたり、逆に過剰な「超過保険」になっていると、いざというときに十分な保険金が支払われなかったり、想定よりも高い保険料を支払うことになりかねません。
ここでは、以下の3つの保険形態について簡単に確認してみましょう。

  • 全部保険とは:評価額の全額(もしくはこれに近い額)を補償する保険
  • 一部保険とは:評価額を下回る金額で契約されている保険
  • 超過保険とは:評価額を上回る金額で契約されている保険

これらの考え方は、万が一の火災や自然災害が起きたときに支払われる保険金の額と直結しますので、保険料を比較する際には必ずチェックするべきポイントです。
詳しくはこちらの記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

火災保険の全部保険・一部保険・超過保険とは?知らないと損をする重要な要素を解説
火災保険の契約を検討するとき、「全部保険・一部保険・超過保険」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。 これらは保険金額と保険価額のバランスを示す用語ですが、実は一部保険や超過保険の状態になると、思わぬ損をしたり、十分な補償を受けられ...

一部保険に対する割増料率が存在する

一部保険は、評価額よりも低い金額で保険金額を設定することを指します。
たとえば、評価額(保険価額)が2,000万円の建物に対して、1,000万円の火災保険を掛けているケースなどが該当します。

一見すると保険金額が低い分、保険料が安くなるのでお得に感じますが、実際には小規模な損害でも十分な保険金を受け取れないリスクがあります。

保険金額は保険金の上限なので、評価額2,000万円の建物が事故で損壊し立て直す必要がある場合、保険金は保険金額である1,000万円までしか支払ってもらえません。
全部保険の保険料よりも安いとはいえそれなりの保険料を支払っているのに、いざというときに必要なお金の半分しかもらえないことになるのですから、一部保険は避けるべきです。

また、一部保険の人と全部保険の人で、支払う保険料は違うのに受けられる補償やサービスは同じという状況は不公平になりますので、一部保険になる契約に対しては割増の保険料率を適用する仕組みを導入している保険会社もあります。

保険代理店がこっそり話す、実際に合った超過保険のトラブル

超過保険とは、評価額を上回る金額で保険契約をしてしまうことです。
評価額は、同規模・同構造の建物を一般的な工法や材質で再建築する場合の標準的な費用が基準となるため、以下のようなトラブルが実際に起こっています。

ある男性が地価の高い土地にある2億円の建物を購入した際、保険代理店の試算による評価額も2億円という前提で火災保険に加入していました。
ところが大規模な事故で損害を受け、保険金を請求したところ、保険会社が「再建築価格は2億円に満たない」と主張し、2億円の全額補償が認められずトラブルになったそうです。
専門家である代理店を通した契約だったため、より複雑にこじれてしまったケースといえます。

実際には、高級材質や特殊工法を使っている場合、一般的な評価額よりも建築費用が高額になります。
しかし、評価額はあくまでも「標準的な建物を建て直す場合の費用」であるため、希少価値が高い材料などを使っている場合でもその差額は評価額に反映されないことが多いです。
ただし、いわゆる超過保険の状態であっても、実際の建築費用を証明する書類を提出して全部保険として扱ってもらえる場合もある(※保険代理店業界情報)ため、加入時に建物の詳細をしっかり説明することが大事です。

火災保険料比較で安さにつられて損をする例を紹介

火災保険料率や建物の評価額の考え方は会社によって違うため、単に数字上の保険料が安いという理由だけで契約を決めてしまうと、思わぬ損をすることがあります。
T構造・面積100㎡・保険金額(評価額)2,000万円程度の新築物件を例に、よくあるケースを見てみましょう。
なお「T構造」とは耐火構造の一種を指し、通常の木造建築より火災に強いとされます。

項目 A社 B社
料率 0.7円/千円 0.72円/千円
1年の保険料 14,000円 14,400円
再建築価格の想定 2,690万円(中央値)
上限3,500万円~下限1,880万円
1,990万円(中央値)
上限2,470万円~下限1,330万円

保険金額を評価額と同じ2,000万円に設定すると、1年間の保険料はA社の方が安いという計算になります。

しかし、一般的な評価額が2,000万円と算出される建物を新築し、工夫をこらしたことで建築費が1,800万円で済んでしまったとします。
そして建築費1,800万円をそのまま保険金額に設定した場合、評価額>保険金額(実際の建築費) という状態になりますね。

そうすると、上記の表は次のように変化します。

項目 A社 B社
料率 0.77円/千円 0.72円/千円
1年の保険料 13,860円 12,960円
再建築価格の想定 2,690万円(中央値)
上限3,500万円~下限1,880万円
1,990万円(中央値)
上限2,470万円~下限1,330万円

保険価額A社の再建築価格の下限1,880万円より低くなってしまいます。

保険金額が再建築価格(の下限額)を下回ってしまうと一部保険の扱いになり、割増保険料率が適用される可能性があります。
実際にA社では保険料率が割増されて、0.7円/千円→0.77円/千円になりました。
一方でB社は下限額を下回ることなくそのままの保険料率でいけるため、結果的にB社の方が保険料が安くなります

逆に評価額2,000万円の建物を3,000万円かけて建築した場合(希少材を使用など)には、B社の上限額が2,470万円なので、超過保険となり契約を断られる可能性が出てきます
しかしA社では3,500万円まで想定しているため、全部保険としてカバーできるのです

このように、火災保険は単純な「保険料率の安さ」だけで決めると、実際に契約してみたらかえって割高になったり、想定した補償が受けられなかったりするリスクがあります。
気になる点は保険代理店に遠慮なく質問し、自分の建物の正確な評価額や保険料計算の根拠を確認することをおすすめします。

 

この記事の内容は、家禄堂『保険得々チャンネル』で動画解説しています!

メディアでは語れないもっと踏み込んだ内容についても触れているので、ぜひご覧ください。

火災保険料の比較についてまとめ

火災保険の保険料を比較する際には、保険料の安さだけで飛びつかず、建物の評価額(再建築価格)補償内容をしっかり確認することがコツです。
一部保険超過保険になっていると、万一のときに補償不足やトラブルに陥りやすいため、必要な補償額を確保したうえでなるべく安く抑える方法を模索することを心がけましょう。
複数社の見積もりを取り寄せる手間が負担に感じる場合は、保険代理店の利用を検討すると効率的に火災保険を比較できます。
自分の建物の特徴や重視したい補償内容を明確にして、最適な火災保険を選びましょう。

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