火災保険の保険料を安くする方法とは?補償を充実させたまま保険料を下げる裏技

火災保険

保険料を少しでも安く抑えたいと考えると、つい補償内容を削ったり、免責金額(自己負担額)を極端に上げたりする方法が思い浮かびます。
しかし、災害や事故が起きたときに十分な補償を受けられないと、結果的には大きな支出を強いられて赤字になってしまう可能性があります。

そこで、補償を軽視せずに保険料を安く抑えるコツをお伝えします。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

火災保険の保険料が決まる仕組みとは?

まずは火災保険の保険料がどのように決まっているかを理解しましょう。
火災保険の保険料は、主に下記の要素が合わさって計算されます。

  • 契約した補償内容
  • 建物(保険の対象)がある地域【災害リスク判定】
  • 契約期間
  • 建物の構造【耐久性判定】
  • 免責金額(自己負担額)
  • 家財を保険の対象にしている場合は、家族構成

地域ごとのリスクや、建物の構造などが異なるため、均一の保険料が設定されているわけではありません。
個々の状況に合わせてリスクや補償範囲を細かく算定する仕組みになっているため、人によって保険料には大きな差が出るのです。


火災保険の保険料を安くする方法

補償を充実させたまま保険料を安くするには、いくつかの工夫が必要です。

代表的な方法としては、以下の6つが挙げられます。
それぞれどんなメリットがあるか、どんな点に注意すべきかを見ていきましょう。

損害リスクを抑える

火災保険の保険料は、建物の防災性能によって大きく左右されます。

新築の一戸建てを建てる際に、多少費用がかさんでも耐火性能・耐震等級を満たした建物にすることで、火災保険料が安くなる可能性があります。
これは、火災や地震などの被害が起きたときに損害が少なくなると見なされるためです。

耐火性能とは

耐火性能とは、建築基準法で定められた基準に基づき、建物が火災時に一定時間倒壊せず安全を保てるかどうかを示すものです。建築時に自治体や専門家の審査・認定を受ける必要があります。以下に代表的な耐火性能の種類を示します。

種類 概要
耐火建築物・耐火構造 建築基準法で定められた耐火基準を満たしており、主要構造部が一定時間火炎に耐えられる建物や構造を指します。
特定避難時間倒壊等防止建築物 建築基準法で規定された基準を満たしており、火災発生時に避難に必要な時間を耐えられる構造と認定された建物です。
準耐火建築物・準耐火構造 耐火建築物や耐火構造ほどではないものの、一定の耐火性を備えていると判断される建物・構造です。
省令準耐火建物 建築基準法のほか、国土交通省の省令に基づいて耐火性を確保している建物を指します。
耐火建築物・耐火構造より基準は緩やかですが、保険料が安くなる可能性がある点も特徴です。

耐震等級とは

耐震等級は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって定められた基準で、建物が地震に対してどの程度耐えられるかを表すものです。
新築時点での申請・認定手続きが必要で、等級によって耐震性能に差が生じます。主な等級の基準は下記のとおりです。

耐震等級 概要
等級3 品確法で定められた基準の中でも最も耐震性能が高い水準。数百年に一度の大地震でも倒壊・崩壊しない強度が目安です。
等級2 等級3ほどではありませんが、建築基準法の1.25倍程度の地震力に耐えうるとされています。学校や避難所に用いられる基準と同等です。
等級1 建築基準法で定められた地震力に対し、倒壊・崩壊しない最低限の強度を満たす水準です。

マンションを購入するならS評価を得ているマンションを選ぶ

マンションの場合、その構造や耐火・耐震性において一定の基準を満たしている場合、保険料が割安になることがあります。
日新火災のお家ドクター火災保険Webでは、(法)日本マンション管理連合会によるマンション管理適正化診断サービスを受けてS評価を獲得している場合に、保険料が5%オフになります。
他にもAIG損保のホームプロテクト火災保険ではオール電化住宅を対象とした割引がありますし、住宅の性能に関する条件の割引や優遇は多いので、そういった割引を利用できるように建物の品質を上げ、損害リスクを抑えることが大切です。

災害リスクを把握して効率的に補償を選ぶ

火災保険には火災だけでなく、風災・水災・盗難などさまざまな補償があります。
ご自身の住む地域がどのような災害リスクを抱えているか把握したうえで、必要な補償を選び、不要な部分の免責金額を上げるなどの工夫をすると保険料の軽減が図れます。

災害リスクは、自治体や国が提供しているハザードマップなどを参考にすると客観的な判断材料になります。

リスクが低い災害に関連する補償はつけない、もしくは免責金額を上げることで、保険料を安くすることが出来ます。

一方、本当に必要な補償をつけていない、十分な保険金を得られないような設定にすると、万が一の際に保険金が少なくなってしまいますので、補償の選択に関してはあくまでも火災保険がきちんと機能する状態を保つことが重要です。

火災保険の補償に関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ぜひご参考ください。

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免責金額の設定

免責金額(自己負担額)とは、保険金の支払いが行われる際に、加入者自身で負担する金額のことです。

免責金額を高めに設定すれば、その分だけ保険金の支払額が減るため、保険料は低く抑えられます。

ただし、高すぎる免責金額を設定してしまうと、実際に損害が発生したときに受け取れる保険金が少なくなり、持ち出しが増える可能性があるので注意が必要です。
特にリスクが高い災害補償は免責金額を低めに設定し、リスクが低いと思われる災害補償は免責金額を高めに設定するなど、バランスを取ることが大切です。

一部保険や超過保険にならないように注意する

加入する火災保険が「一部保険」「超過保険」になっていないかもチェックしましょう。

一部保険とは、実際の価額より低い金額で保険をかけること、超過保険とは逆に実際の価額を上回る金額で保険をかけることです。
どちらの場合も保険金の支払いに無駄が出て損をする可能性があります。

詳しい解説は別の記事で紹介していますので、興味がある方はそちらをご覧ください。

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割引の利用

火災保険には、建物の構造や契約方法などに応じてさまざまな割引制度が設けられています。

下記の表は、実際に各保険会社が実施している割引の一例です。
たとえば「耐震等級による割引」では、建物の耐震性が一定基準を満たしていると認められれば、保険料が安くなる場合があります。
特に新築やリフォーム時に耐震等級を取得しておくと、こうした割引を受けられるので要チェックです。

建物の性能に関する割引を受けるには、建物の構造を証明する書類や耐震等級証明書などの提出が必要になる場合があります。

また、各保険会社で適用条件や割引率が異なるため、契約前に必ず確認しましょう。

ネット契約割引や長期一括払い割引など、自分の利用スタイルに合った割引をうまく活用すれば、補償内容を充実させながら保険料を抑えることができます。

補償を重複させない

自動車保険の日常生活賠償責任補償と、火災保険の個人賠償責任補償など、名称が違うだけで内容が重複している補償がある場合には注意が必要です。
保険会社が異なっていても、契約者情報の共有が行われるため、二重に保険金を受け取ることはできません。
それにもかかわらず、保険料は両方で発生するので、結果的に無駄が出てしまいます。


保険料のパフォーマンスを上げる方法

ここまで、保険料を安くするための工夫についてご紹介しました。
さらに「支払う保険料をできるだけ有効に使う」という観点から、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを上げる方法も確認しておきましょう。

破損・汚損等(その他偶然の事故)補償で元手をとる

火災保険という名前ではありますが、実は「破損・汚損等(その他偶然の事故)」補償をつけることで、さまざまな日常的な損害にも対応できます。

故意ではない損害がカバーされるため、子どもが室内で遊んでいてガラスを割ったり、模様替え中に家具をぶつけて壁や床を傷つけたりした場合にも保険金が支払われる場合があります。

こうした補償を上手に活用して、日常の損害で払い戻しを受けることができれば、保険料として払った額を部分的に回収できることになり、パフォーマンスを高められます。

ただし保険商品によって補償範囲が異なるため、契約前によく確認しておきましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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付帯サービスの活用

鍵をなくしてしまった際の鍵交換や、水道管の凍結事故、トイレの詰まりなど、緊急時に頼れる付帯サービスが備わっている保険商品も少なくありません。

これらの付帯サービスでは、鍵交換や修理費そのものを負担してもらえるわけではないことが多いですが、業者の手配や相談窓口の対応を保険会社が担ってくれるため、手間と時間を大幅に節約できます。

「付帯サービスはおまけ」と思われがちですが、実際にトラブルが起こると非常に役立ちます。
緊急時の対応に要する負担を軽減できるのは大きなメリットですので、事前にサービス内容を確認しておきましょう。

ポイ活など特典が見込める保険

保険の契約方法によっては、ポイントサイトを経由することでポイントがもらえたり、保険代理店のキャンペーン利用でノベルティや景品がもらえたりすることがあります。
こうした特典を上手に活用できれば、実質的な出費を減らすことができるので「お得感」を得やすくなります。

ただし、最も大切なのは十分な補償内容を備えているかどうかです。

特典だけにつられて必要な補償が薄い商品を選んでしまうと、いざというときにカバーされず大きなリスクを負うことになりかねません。
保険料の安さと補償内容のバランスを見極めることが重要です。


保険料を安く抑える場合の注意点

ここまで、火災保険の保険料を安くするための方法をさまざまご紹介してきました。

確かに、免責金額(自己負担額)を高く設定したり、補償を厳選したりすることで保険料を抑えることは可能です。
しかし、そのような手段を過度に用いてしまうと、いざというときに補償が足りず、多額の自己負担が発生してしまうリスクもあります。

次のポイントに気を付けましょう。

必要な補償はしっかり確保する

水災リスクが高いのに水災補償を付けない、もしくは保険金を抑えるような設定をしてしまうなど、保険料が安くなったとしても万が一の時にもらえる保険金が実際の損害額よりも下回ってしまうことは避けるようにしましょう。

保険金が十分に貰えないとなると、せっかく保険料を支払っていたのに損害の修繕のためにまとまったお金を支払うことになってしまい、保険料が無駄に思えてしまうかもしれません。

災害や事故のリスクを正確に把握することは大変ですが、国土交通省のハザードマップや、保険代理店を利用すれば、専門知識を活用して安全な補償選びができます。

不安な時は保険代理店に相談

保険代理店は各保険商品の情報や、保険に関する知識が豊富です。
条件に合わせた保険の保険料の一覧を出してくれたり、それぞれの保険の特徴について説明してくれます。
疑問にも詳しく答えてくれる良い保険代理店を探して、相談してみましょう。

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火災保険を安くする方法のまとめ

保険を安くする方法とコストパフォーマンスを上げる方法をご紹介しました。

特に次の内容は必見ですので、ブックマークやSNS共有などでいつでも見返せるようにしておきましょう!

  • リスクを抑える
  • 効率的な補償選び
  • 免責金額の設定
  • 一部保険を避ける
  • 割引の利用
  • 補償重複を避ける
  • 破損
  • 汚損等補償を活用
  • 付帯サービスを活用
  • ポイ活サイトや特典キャンペーンを活用

火災保険は多くのリスクをカバーできる一方、保険料は安い出費とは言えません。
だからこそ、ご自身のライフスタイルや住環境にあった補償を選ぶこと、そして必要に応じた割引や特典を最大限に活用することが大切です。

補償内容を軽視せず賢く保険料を抑え、万が一の際にしっかりと備えられる火災保険を選びましょう。

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