火災保険の選び方をプロが解説!損をしないポイントと事例【料金例】

火災保険

火災保険は、大切な住まいを守るための重要な保険です。

複数の保険会社で相見積もりを取って選ぶ場合が多いかと思いますが、いざどの保険を選ぶか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、保険料だけを判断基準にして選んでしまうと、いざ事故が発生した際に補償が不十分で損をする可能性があります。

今回は、火災保険を選ぶ際の重要なポイントをプロ目線で、具体的な例やデータを交えて解説します。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

火災保険を選ぶ際の基準

多くの人が火災保険を選ぶ際に重視するポイントとして、以下のような項目が挙げられます。

  • 保険料の安さ
  • 保険会社の知名度や規模

特に「保険料が安いこと」は、多くの人が優先する条件です。
しかし、これだけで選ぶと、万が一の際に十分な保障が得られないリスクもあります。

それでは何を基準にして選ぶかというと、還元率です。

火災保険の還元率とは?

この記事においては、支払った保険料に対して実際に事故が起きた際に受け取った保険金の比率を指します。

保険の活用率とも似た意味合いの言葉になりますね。

例えば、1年間で保険料2万円を支払い、事故発生時に保険金として2万円を受け取った場合、還元率は100%です。

火災保険の料率などで明確に定められた指標という訳ではなく、保険を利用する貴方や、保険選びを助ける保険代理店などが状況に合わせて判断する数値です。

どうせ事故は起きないだろうという考えは危険

火災保険なので火災事故を例に挙げます。
総務省が調べた調査によると、日本国内にある住居は約6,500万戸(令和5年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(速報集計)結果より)。
そして消防庁が発表した一年で起きた火災の件数は約38,000件(令和5年(1月~12月)における火災の状況(確定値)についてより)です。

こうして数値で見ると少ないように思えるかもしれませんが、大きな災害が発生した年は火災発生件数が跳ね上がるため、災害が起きるリスクも合わせて考えると絶対に事故が起きないという保証はありません。

また、火災保険に限らず、保険とはもしものことに備えて入るものなので、「事故が起きないだろう」と考えて必要最低限の補償しか選ばないと、いざという時に十分な補償されないケースもあります

どのようなリスクが高いのかを事前に把握し、必要な補償を見極めることが重要です。

次は一般的な火災保険の補償内容などを踏まえながら、どのような火災保険を選べばいいのかというポイントを詳しく解説します。

プロ視点の火災保険の選び方

まず、一般的な火災保険の補償として代表的なものは、以下の6種類です。


多くの人は「火災」「風災」などのリスクには注意を払いますが、「物体の落下」「その他偶然の事故」といった具体的な損害のイメージがしにくいリスクにはあまり目を向けません
そして補償内容を絞ると保険料が安くなるという保険の場合は、上記4~6の補償を外してしまうという方が意外と多いのです。

火災に関しては、火災保険なので補償を外すことはできませんが、他の補償に関しては以下のポイントを押さえてから補償を絞るかどうかを考えましょう。

チェックポイント1:事故・災害が起きる頻度を確認

事故・災害がどのくらい起きるかなんてわからない、と思うかもしれませんが、実は事前に事故・災害の発生リスクを確かめる方法があります。

まずは、地域ごとのリスクをハザードマップなどで確認しましょう。

例えば、豪雪地帯では雪災の補償が重要ですが、雪が少ない地域では不要な場合もあります。
水災についても、例え周辺にある川が小さく浅い川だった場合でも、増水や洪水による浸水リスクはその地域ごとに変わります。

国土交通省のハザードマップや、各自治体が発表しているハザードマップで確認できますので、この情報を下に「風災・雪災・ひょう災」「水災」のリスクや発生頻度予測がどのくらいの物かを考えましょう。

そして頻度で言えば、実は代表的な補償の6番「その他偶然の事故」が日常生活において一番発生頻度が高い事故といえます。
これに関してはそれぞれが補償する範囲・内容が大きくかかわります。

還元率のチェックポイント2:補償範囲を確認

「その他偶然の事故」は破損・汚損などの名称で提供される補償のことで、偶発的・不測的・突発的に発生した事故によって受けた損害を補償するものです。
補償範囲が広く、日常的に発生しやすい事故をカバーしているため、最も重要です。

日新火災海上 『お家ドクター火災保険Web』の破損・汚損 事故例

破損・汚損等
自宅で子供が遊んでいた際に、誤って窓ガラスを割ってしまった。
水道管が凍結し、壊れてしまった。
誤って鏡※を落とし、床に傷をつけてしまった。※鏡の損害はオプション(家財補償特約)により家財を保険の対象としている場合に補償の対象となります。
自宅でテレビを別の場所に移動している時に誤って落とし、壊してしまった。
出典:事故例・補償例一覧|お家ドクター火災保険Webとは

損保ジャパン 個人用火災総合保険『THE すまいの保険』の破損・汚損 事故例

破損・汚損などの補償
ドアにものをぶつけてドアを壊してしまった!模様替え中に家具を倒して壊してしまった!

携⾏品損害特約
通勤途中に駅の壁にバッグをぶつけて破損してしまった。
出典:個人用火災総合保険『THE すまいの保険』|損保ジャパン

以上のように、保険利用者が意図しない状況で起きた損害を補償してくれます。
日常的に起きそうな事故なので、保険会社の方で1度に支払う保険金が低めに設定されているケースもありますが、例え1万円程度でも保険金が出るとかなりありがたい損害ばかりです。

このように、補償される事故の発生頻度が高ければ、その分保険の還元率は高くなります。

以上二つのポイントを踏まえて、保険の対象にする建物がある場所の環境や、家族構成・生活スタイルなどから、予め還元率が高い補償内容を効果的に選びましょう。

次は、具体的な例や見積額を元に、実際に保険を選んでみましょう。

実際の相見積もり例からわかる火災保険の選び方

まずは、以下の条件でA~E社の火災保険の保険料の見積もりを表にまとめましたのでご覧ください。
※以下の例はあくまでも例であり、後述の説明も合わせて全ての火災保険に該当するという訳ではありませんので、あらかじめその点を踏まえてごらんください。

神奈川県|戸建て住宅|H構造(耐火構造)|面積100㎡|近くに小さな川有り(高低差3m)|新価額評価|10年間契約

※1:20年フランチャイズ
※2:定率払い

A社 B社 C社 D社 E社
火災
風・雪・雹災 ※1
水災 ※2 × ×
物体の落下・飛来・衝突 ×
水ぬれ(漏水) ×
その他偶然の事故 × ×
新築の場合の保険料 32万円 20万円 29万円 18万円 14万円
築20年の場合の保険料 39万円 27万円 35万円 29万円 25万円
  • A社は全ての補償が含まれている。
  • B社は全ての補償が含まれているけど、制約がある。
  • C社はその他偶然の事故だけついていない。
  • D社は、建物の地盤面から水位が45cm以上行かないと水災保険の対象にならないという理由で、川の高低差3m+45cm以上の水位に達しないと補償されないから水災を外した。
  • E社は、金融機関のローンに加入する際に入れられる火災保険で、補償を最低限に絞っている。

さて、この表から保険を選ぶとしたら、皆さんはどの保険を選びますか?

安さを重視するのであれば、E社の保険が一番安いです。
そして幅広い補償内容のもので一番安いのは、B社ですね。

しかし、よく気を付けてほしいポイントが隠れています。

水災に関する判断基準

この例で保険の対象としている住居は神奈川県に実在する、とある地域にある戸建て住宅で、小さな川が周辺にあります。
川の高低差は3メートルで、一見すると水災のリスクが低いように思えます。
そのためD社は水災の補償を外した見積もりを出したのですが、ハザードマップで調べると水災が起きた際の予想最高水位は5mと出ました。
浸水が起きやすい地形や環境もありますので、川の高低差だけを見るのではなく、ハザードマップも調べるべきでしたね。

そのため、水災が含まれないD社とE社は除外します。

各補償の内容もチェック

B社は水災が付いている保険の中では一番保険料が安いですが、実は一部の補償に制約があります。

  • 風災・雪災・雹災→20万円フランチャイズ
    20万円フランチャイズとは、受けた損害額が20万円以上だった場合に保険金を支払うという制約です。
    20万円以下の場合は、自分で修繕費を負担しなければいけなくなります。決して負担が無い金額という訳ではありませんよね。
  • 水災→定率払い
    定率払いとは、実際に受けた損害額をそのまま保険金として支払うのではなく、保険契約で定めた計算によって算出される定率の金額を支払うというものです。
    状況によっては実損額より少ない金額になるため、注意が必要です。

こういった制約が付いていると保険料も抑え気味ですが、いざというときに十分な補償が受けられないケースが想定できます。
そのため、B社も除外しましょう。

還元率が高い補償を選択しているかどうか

残ったA社とC社の違いは、その他偶然の事故(破損・汚損)の補償が付いているかどうかです。

水災リスクについて予め理解している人でも、還元率を重視しなければCを選んでしまうかもしれません。
しかし保険金を回収できる可能性が高いと考えれば、29万円のC社より32万円のA社の方が、長い目で見ればお得です。

結果として、プロ目線で選ぶおすすめの火災保険は、例の表では一番保険料が高いA社となりました。

ただ、以上の内容を踏まえると、火災保険を選ぶときに考えないといけないことが非常に多いので、保険選びへのハードルが上がってしまうことでしょう。
そういうときにこそ、保険代理店をご利用ください。

住んでいる場所の住所や環境、家族構成などの気になる点を伝えれば、最適な保険を選んでくれますよ。

 

この記事の内容は、家禄堂『保険得々チャンネル』で動画解説しています!

メディアでは語れないもっと踏み込んだ内容についても触れているので、ぜひご覧ください。

ここからは、動画に寄せられた皆さんのご質問、ご感想をご紹介します。

火災保険について皆さんの反応

コメント部分スクリーンショット
https://www.youtube.com/watch?v=moNOxaEdrHg

この動画には以下のような声が寄せられています。内容を分かりやすくするために一部要約しています。

Question Icon

ハザードマップで水災可能性が極めて低いと判断した場合はその保険は外すという考えて間違いないでしょうか?

Answer Icon

ご質問の件はその通りですが地域によっては浸水が50cm未満の地域でも色付けされている例があります。保険の水災とは建物が建っている地盤面より45㎝以上の水高で浸水以内と効果を発揮しませんので、この差4cmに保険を掛けるかどうかという判断になる場合があります。この点はご注意ください。

Question Icon

昨年浴室をリフォームしたのですが、夫がお風呂場にいつも持ち込んでいた砂時計を落とし割ってしまい浴槽に茶色いサビみたいのが沢山ついてしまって悩んでいたのですが、ダメ元で申請してみても良いのかな〜?と思いました。

Answer Icon

少しでもお役に立てたなら嬉しい限りです。今回頂いたコメント内で「サビ」という言葉が出てきましたが、保険とは「偶然且つ突発的」に起きた事象を「事故」とし、この「事故」にしか効力を発揮しません。ですので時間をかけて酸化した「サビ」という言葉が保険適用外であると判断される危険性がありますので「汚れ」という表現をお使いいただくのが安全だと思います。この点はご注意ください。

Question Icon

鉄筋4階のアパートを経営してます。 多少高台に建ってまして川からも離れていまして洪水の確率は少ないです。 そうしますとDコ一スがベストでは?と考えてます。 如何なものでしようか? アドバイスをお願い致します。

Answer Icon

ご説明を頂きました状況ですとDコース(?水災補償無し?)が正確に分かりませんが水災補償は外して構わないと思いますが、一応、地元自治体が公表しております「洪水ハザードマップ」をご確認頂きたいと思います。過去の損害歴などから導き出されました事案に基づいて作成されておりますので予想と違った結果になることもしばしばございます。その点はご注意ください。

火災保険の選び方についてまとめ

火災保険を選ぶ際は、単に保険料の安さや保険会社の規模だけで判断するのではなく、『還元率』という視点を取り入れることで、より効果的な選択が可能になります。
また、各保障内容を十分に理解し、自分の住環境やリスクに合った保険を選ぶことが重要です。

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