『あなたの部屋から、うちの部屋に漏水しています!』
集合住宅の賃貸物件に住んでいると、階下の人から急にこんなことを言われるような出来事がおきるかもしれません。
経年劣化やちょっとしたトラブルで起きる可能性がある漏水事故。
実際に起きてしまった場合はどう対応すればいいのか分からず、慌てる方も多いでしょう。
本記事では、水漏れの原因がある住居の入居者側の視点で、漏水事故が発生した際の適切な対応方法について解説します。
忙しい人はこちら
漏水事故を起こしてしまった時、まずやること
漏水事故が発生した際、真っ先に管理会社や保険会社に連絡する人も多いですが、最優先で取り組むべきことは漏水被害にあってしまった階下の人へのやりとりや謝罪、つまり被害者救済です。
例えば、下の階の住人から『天井から水が漏れてきた』という連絡を受けた場合、以下の手順で対応しましょう。
被害状況の確認と初期対応
大抵の漏水事故は、階下の入居者、もしくは管理会社からの連絡で発覚します。
もし階下の人が直接被害の報告をしてきた場合は、被害を受けたことへの悲しみや怒りで動揺しているかもしれません。
ただ、突然被害を伝えられた上階の入居者も、漏水の原因に心当たりがある人はあまり多くはありません。
このような場合に一番大事なのは感情的にならないことです。
冷静に話し合うことに努め、下記のポイントを抑えた対応をしましょう。
被害者に状況を確認する
被害者がどのような被害を受けたのか、詳細を聞き取りましょう。
状況を冷静に把握することが重要です。
原因追及の約束と謝罪
原因がはっきりわからないうちは『自分は悪くないのに』と思うかもしれませんが、階下の人が漏水被害を受けているとわかった以上、貴方も関係者です。
明確な原因がわかっていない場合は、必ず保険を利用した賠償や調査・報告を行うことを約束し、面倒をかけることに対して謝罪することをお勧めします。
ただし、この時点で過剰な事を言い過ぎると後々別のトラブルに発展する可能性もありますので、やはり冷静さが大切です。
関係者への連絡
被害者とのやりとりが一段落したら、原因の追究や賠償の支払いのために各所に連絡をしましょう。
その際は事故が発生した(または事故に気づいた)時間をメモしておいたり、可能であれば被害者の人に写真を撮っておいてもらうと安心です。
大家や管理会社への連絡
漏水事故が発生したことを大家や管理会社に報告します。原因調査や修理の手配を依頼しましょう。
保険会社への連絡
ご自身が加入されている保険に、個人賠償、日常生活賠償という名前の保険や補償があれば、それを使って賠償することができます。
漏水事故を起こしてしまった時に使える保険の例
| マンションの種類 | 使える保険 | 代表例 |
|---|---|---|
| 賃貸 | 賃貸住宅用保険 (家財・借家人賠償) |
お部屋を借りるときの保険 |
| 賃貸・分譲 どちらも |
個人賠償責任保険 (※一部の自転車保険) |
au損保「自転車向け保険Bycle」 日常生活賠償付き |
| 分譲 | 火災保険の 個人賠償責任 |
お家ドクター火災保険Web 個人賠償責任補償特約 |
※これは漏水事故を起こした住宅の入居者が賠償責任を負った際に利用できる保険の例です。
詳しくは後述しますが、マンションやアパートの所有者(オーナー)が賠償するケースもあります。
また、当然ですが上記の保険は加入後に起きた事故にしか使えません。
保険証券を確認して、保険会社または代理店に相談しましょう。
管理会社等が紹介した保険に入っている場合は、管理会社が保険会社への連絡を代わりにやってくれることもあります。
また、懇意にしている保険代理店があれば、相談と言った形でも連絡しておくと安心です。
(※)注意が必要な対応
- 見舞金、現金を渡す
一時的な見舞金を支払うことはよくありますが、その見舞金が保険などで補償・補填されるかどうか、されるとしてもいつ支払われるのかは事故が起きた当初は全く見通しが立っていません。
当然見舞金は賠償金とは別の物ですし、支払うとしたら保険金での補填は当てにせず、お気持ちとして渡しましょう。
漏水事故の原因は?責任は?
漏水事故の原因は様々です。一概に「入居者」とも言い切れません。
責任が誰に・どこにあるのかによって、必要になる保険の手続きや、支払われる保険金が大きくが変わります。
そのため、保険会社は建物の大家、管理会社などと協力して原因の調査などを行います。
入居者の過失による場合
入居者自身が原因で漏水事故が発生するケースは少なくありません。
例えば、以下のような例があります。
- 洗濯機の排水ホースが外れた
- キッチンの蛇口を閉め忘れた
もし漏水事故が発生した際、ちょっとしたミスや不手際により階下へ漏水被害を出してしまったという場合は、大家や管理会社への連絡する際に伝えましょう。
建物設備が原因の場合
一方で、建物自体の設備に問題がある場合、責任は大家または管理会社にある可能性があります。
- 老朽化した配管が破裂した
- 経年劣化により少しずつ水が染み出て、建物の内部が腐食してしまった
この場合は、階下の人への賠償をするのは大家または管理会社ということになります。
被害者とのやりとりは大家または管理会社が引き継ぐことになりますので、それ以降は指示があった場合以外は特に何もしなくて大丈夫です。
漏水事故を補償できる保険の種類は?
もし漏水の原因があるとされた住居の入居者が責任を取らなければならない場合、漏水事故の損害を補償する保険には、以下のような種類があります。
ご自身が加入している保険の補償範囲や免責事項を事前に確認しておきましょう。
火災保険(借家人賠償責任特約など)
賃貸住宅の入居者が加入している火災保険には、「借家人賠償責任特約」が付いている場合があります。
これは、入居者が過失で建物や大家所有の財物に損害を与えた場合に適用されます。
賃貸住宅の入居者が加入する保険については別の記事で詳しく解説していますので、そちらも併せてご確認ください!

個人賠償責任保険
分譲マンションなど、賃貸ではなく持ち家で漏水事故が起きた場合は、火災保険、もしくは日常生活で起こりうるトラブルに関する保険の「個人賠償責任」という補償でカバーできます。
火災保険の場合は、水ぬれ・盗難など一見漏水事故を補償しているように思える補償が別に存在するケースもありますが、これは被害を受けた時の保険であり、被害を与えてしまった場合は賠償に関する補償が必要です。
ただし、自由設計型の損害保険は賠償に関する補償を選択していない場合もありますので、一度契約している保険の契約内容を確認してみましょう。

この記事の内容は、家禄堂『保険得々チャンネル』で動画解説しています!
メディアでは語れないもっと踏み込んだ内容についても触れているので、ぜひご覧ください。
ここからは、動画に寄せられた皆さんのご質問、ご感想をご紹介します。
集合住宅での漏水事故に関する皆さんの反応
この動画には以下のような声が寄せられています。内容を分かりやすくするために一部要約しています。
漏水事故についてまとめ
漏水事故は、入居者、大家・管理会社、保険会社が連携して対応する必要があります。
冷静に対応し、以下のポイントを押さえましょう。
- 被害者救済を最優先に
- 原因調査を行い、責任の所在を明確に
- 保険を活用して損害を補償
後編では、保険の適用方法や実際の手続きについてさらに詳しく解説します。
いざという時のために、普段から加入している保険内容を確認しておくことをおすすめします。





コメント