共済の種類とは?それぞれの違いや選ぶポイントを完全解説!

共済

保険では『家に関する保険は火災保険や地震保険』といった感じに種類がわかりやすいですが、共済は運営団体ごとに様々な種類の共済があります。
色々あってよくわからない、と見落としがちな情報に、実はお得が隠されているかも。
この記事では、共済の分類やどれがいいのかなど、共済の種類について解説していきます。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

共済の種類一覧

まずはざっくりとどのような種類があるのかを見ていきましょう。

保険よりも細分化されている・それぞれの特徴が違うとはいえ、何に備えるための共済なのかという大きな分類は保険と同じです。

  1. (災害・事故など)
  2. (病気やケガなど)
  3. (事故や故障など)

この大きな3つの分類に加えて、共済には『貯蓄』の共済や、『すべてが込みになった総合型』があります。

一般社団法人 日本共済協会が示す代表的な共済(火災・生命・傷害・自動車・年金)を土台に、下位分類を追加した一覧表がこちらです。↓

分野 分類(共済の種類) 内容・補足(対象・保障範囲)
家の共済
(住宅・家財系)
火災共済 建物・家財が火災・落雷・破裂・爆発などで損害を受けた場合の保障。
自然災害共済 風災・雪災・雹災・地震・津波などの自然災害による損害を保障。
火災共済に付帯するか、単独で存在。
建物更生共済 建物・住宅を対象とした長期積立型の共済。
満期金・解約返戻金を伴う。
家財共済 家具・家電・衣類など家財のみに対する補償。
賃貸入居者など建物を所有しない人も対象。
人の共済
(健康・事故系)
生命共済 死亡・入院・手術など「生命・身体」に関わるリスクを保障。
定期型・終身型・医療型などを含む。
傷害共済 不慮の事故やけがなどによる死亡・入院・通院を保障。
交通事故限定型や一般型など。
介護共済 介護状態や要介護認定時の一時金・年金型給付を行う共済(生命共済系の派生)。
がん共済・疾病共済 がんや特定疾病(三大疾病など)に備える医療系共済(生命共済の下位分類)。
乗り物の共済
(自動車系)
自動車共済 自動車事故により生じた損害(対人・対物・自損・搭乗者など)を補償。
任意共済と自賠責共済がある。
貯蓄の共済
(年金・積立系)
年金共済 老後資金や生活資金を積み立て、一定年齢から年金形式で受け取る共済。
学資共済(こども共済) 子どもの教育・結婚など将来資金を積み立てる共済(貯蓄共済の一種)。
貯蓄共済 定額を積み立てて満期金・返戻金を受け取る共済(生命・年金系にまたがる横断型)。
総合・
包括型共済
総合共済 火災・傷害・賠償・医療など複数リスクを包括的に保障する共済(生活総合型)。

以上の分類に加えて、最近は個人賠償責任(生活賠償)の共済なども増えています。
自転車事故に備える保険や共済への加入が奨励されているからです。

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今後も時世に合わせて様々な共済が生まれていく可能性はありますが、ざっくりした分類は以上です。

ここからは、分野ごとに各共済の特徴と主要団体の実施状況を見ていきます。
団体ごとの取り扱い有無は2025年10月現在の情報なので、正確な情報はご契約前に公式HPや約款などをご確認ください。

また、共済に関するよくある質問の記事もありますので、ぜひ併せてご一読ください。

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家に関する共済

住宅リスクは「火災」と「自然災害」をまず切り分けると選びやすくなります。
さらに、貯蓄性のある長期型(建物更生)か、掛け捨てに近い設計か、そして建物ではなく家財だけを守りたいのか――という順で検討するとミスマッチを防げます。
自然災害は火災共済に付帯する場合と、最初から包括される設計の両方がある点に注意しましょう。

家に関する共済を実施している主な共済団体
共済実施組合 会員団体 火災 自然 建物更生 家財
農業協同組合 JA共済連
生活協同組合 こくみん共済 coop(全労済)
コープ共済連
全国生協連 (都道府県民共済グループ)

家にかけるのはどの共済がいい?

持ち家の場合は、火災に加えて風水害・地震をどう担保するかが肝心。

自治体のハザードマップで水害・土砂・揺れの想定リスクを確認し、自然災害の付帯(または包括設計)を選びましょう。

引越しの予定がなく長期で住むなら、建物更生共済のような積立型で満期金・返戻金を得る設計も合理的です。
賃貸なら建物は大家の担保なので家財共済が基本。

漏水や失火の賠償に備え、個人賠償責任の特約を同時付帯しておくと安心です。

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人に関する共済

人に関する共済は「生命(死亡・医療)」「傷害(事故のけが)」「介護」「がん/疾病」の系統で考えると整理できます。

医療系は入院・手術を基軸に、がん/三大疾病など特化型で上乗せ、要介護リスクは一時金か年金型かで選ぶ、という順番がおすすめです。

人に関する共済を実施している主な共済団体(制度分類ベース)
共済実施組合 会員団体 生命 傷害 介護 がん・疾病
農業協同組合 JA共済連
生活協同組合 こくみん共済 coop(全労済)
コープ共済連
全国生協連 (都道府県民共済グループ)

怪我と病気に備えるならどの共済がいい?

事故のけがが主たる不安なら「傷害共済」をベースに、通勤・自転車・スポーツ頻度など行動特性に合うプランを。

入院・手術など医療費の平準化が目的なら「生命共済(医療型)」を中核に、がん家系など特定疾患リスクが高ければ「がん/疾病共済」を上乗せ。

介護リスクが気になる年代は、要介護時の給付形態(一時金/年金)と要介護度の支給要件を必ず確認しましょう。

乗り物に関する共済

中心は任意の「自動車共済」で、相手方賠償(対人・対物)、自身側(人身傷害・搭乗者)、車両のセット設計が基本です。

法律上の「自賠責共済」を扱う団体もあります。

二輪は原付~大型まで対象・特約が異なるため、保険金額やロードサービス範囲を確認しましょう。

乗り物に関する共済を実施している主な共済団体(制度分類ベース)
共済実施組合 会員団体 自動車 バイク 自賠責
農業協同組合 JA共済連
生活協同組合 こくみん共済 coop(全労済)
コープ共済連
全国生協連 (都道府県民共済グループ)

老後・貯蓄に関する共済

「年金共済」は予定利率や受取形態(確定年金/終身年金など)で性格が変わります。

「学資(こども)共済」は目標時点(入学・進学)に合わせた受取設計、「貯蓄共済」は満期金や返戻率の推移を確認するのが基本です。

分類としては各団体に広く存在しますが、積立効率や配当(割戻)などの設計は団体ごとに差があります。

老後・貯蓄に関する共済を実施している主な共済団体(制度分類ベース)
共済実施組合 会員団体 年金 こども 貯蓄
農業協同組合 JA共済連
生活協同組合 こくみん共済 coop(全労済)
コープ共済連
全国生協連 (都道府県民共済グループ)

老後の備えや貯蓄の共済はどれがいい?

老後資金を中心に据えるなら年金共済の予定利率・受取期間(確定/終身)とインフレ耐性の確認が重要。

教育費など時点が明確なら学資共済を、資金クッション目的なら貯蓄共済を軸に据え、医療・介護など「人」リスクの備えと重複を避ける設計が合理的です。

総合・包括型共済

総合・包括型は、火災・自然災害・医療・傷害・賠償・祝い金/見舞金など複数リスクをパッケージ化した設計です。

職域・企業内・業界団体の内部制度として提供されるケースが多く、加入条件(職員・家族など)や給付項目がその職域のニーズに合わせて最適化されています。

代表例として教職員共済・交運共済(JR職域)・JP共済(日本郵政グループ労働者共済)などがあります。

総合・包括型共済の特徴

職域・企業内など特定の団体に属する人を対象にしているものが中心で、加入要件を満たさないと利用できないのが一般的です。

その分、掛金は抑えめで給与天引きなど運用もシンプル。

さらに、教職なら教育現場の賠償・遭難、郵政グループなら勤続祝い金など、職域ならではの給付が盛り込まれているのが特徴です。

まとめ

共済は「制度の分類(家・人・乗り物・老後)」で全体を把握し、次に自分のリスク特性(持ち家/賃貸、行動特性、家族構成、職域)に合わせて必要な系統を選ぶのが近道です。
家は火災+自然災害の線引きと、積立型(建物更生)かどうかの判断がカギ。
人は医療・がん・介護の役割分担、乗り物は自動車(任意/自賠責)の範囲、老後は年金/学資/貯蓄の目的別で組み立てましょう。
制度の骨格は日本共済協会の整理に基づきつつ、実際の適用・細目は団体ごとに差があるため、最終判断は各団体の公式約款・設計資料を確認するのが安全です。

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