火災保険の弁護士費用特約とは?使えるケースと注意点を解説

火災保険

火災保険には、個人賠償責任補償特約や類焼損害に関する特約など、さまざまな費用補償があります。
その中で近年見かけるようになったのが、被害に遭ったときの弁護士費用や法律相談費用を補償する特約です。

相手に治療費や修理費を請求したいのに話し合いが進まない、法律の専門家に相談したい、そうした場面で役立つ可能性があります。
今回は、お家ドクター火災保険Webの「被害事故弁護士費用等補償特約」を例に、火災保険の弁護士費用特約がどのような補償なのかを解説します。

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掲載内容は『保険得々チャンネル』で紹介した保険の情報を基に記事として再構成したものです。

火災保険の弁護士費用等特約が補償するもの

火災保険の弁護士費用等特約は、自分や家族が被害に遭ったときに、相手へ損害賠償を請求するための弁護士費用や法律相談費用を補償する特約です。
相手に支払う賠償金を補償するものではなく、あくまで被害者側として請求を進めるための費用を補償する点が特徴です。

ここでは、お家ドクター火災保険Webの被害事故弁護士費用等補償特約を中心に見ていきます。
名称は保険会社によって異なることがありますが、「被害に遭ったときの弁護士費用を補償する特約」という意味で押さえると分かりやすいでしょう。

対象になる事故

お家ドクター火災保険Webでは、日本国内において不測かつ突発的な事故により、被保険者が身体に障害を受けた場合、または保険の対象である建物や家財が損壊した場合が補償の対象です。
本人だけでなく、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子まで対象に含まれます。

公式サイトで挙げられている例は、歩行中に後ろから自転車に追突されてケガをし、治療費を払ってもらえないため弁護士に相談したケースです。
自分が加害者になった場合ではなく、被害に遭って相手へ請求する立場になったときに使う特約と考えると理解しやすくなります。

法律相談費用とは?

この特約で補償されるのは、弁護士に依頼した費用だけではありません。
法律相談費用も補償対象に含まれており、一定の範囲では司法書士や行政書士への相談費用も対象になります。

つまり、いきなり正式に依頼した場合の費用だけでなく、「まず相談したい」という段階の費用も対象になりうるということです。ただし、あらかじめ保険会社の同意を得て支出した費用に限られるため、自己判断で先に相談や依頼を進めるのではなく、事前連絡が重要になります。

類似する特約との違い

似た名前や役割に見える特約はいくつかありますが、それぞれ補償する内容は同じではありません。

たとえば個人賠償責任補償特約は、自分や家族が加害者となって他人にケガをさせたり物を壊したりしたときの賠償を補償する特約です。
一方、弁護士費用等特約は、自分や家族が被害者になったときに請求のための費用を補償します。

また、類焼損害に関する特約は、火災などで近隣に損害が及んだ場合の費用負担に備えるもので、弁護士へ依頼するための費用を補償する特約とは役割が異なります。
ほかの保険の弁護士費用補償とも同じとは限らず、火災保険の弁護士費用等特約は、被害事故に関する損害賠償請求のための費用に絞っている点が特徴です。

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弁護士費用等の保険金はどのくらい?

補償の対象が分かったところで、次はどのくらいの費用まで補償されるのかを見ておきましょう。
弁護士費用特約は、相手に支払われる賠償金そのものではなく、法律相談や依頼のために実際にかかった費用を対象とするため、限度額の考え方も通常の損害補償とは少し異なります。

お家ドクター火災保険Webでは、弁護士費用または法律相談費用について、保険期間を通じて300万円を限度として実際に要した費用を補償すると案内されています。
保険期間が1年を超える契約では、保険年度ごとに限度額が適用されます。

お家ドクター火災保険Webの支払限度額

支払限度額は300万円ですが、何でも一律に300万円出るわけではありません。
実際にかかった弁護士費用や法律相談費用が対象であり、その範囲で保険金が支払われます。

高額な請求や訴訟になった場合でも一定の安心感はありますが、補償の中心はあくまで「請求のために必要な費用」です。
示談金や損害賠償金そのものが追加で上乗せされる特約ではないため、役割を分けて理解しておくことが大切です。

全額出るとは限らないケース

弁護士費用や法律相談費用がかかったとしても、いつでも全額がそのまま支払われるとは限りません。
たとえば、次のようなケースでは申請した保険金からいくらかが差し引かれます。

  • 被害事故に対して他の補償/特約、他の保険から保険金が支払われた
  • 弁護士や司法書士または行政書士などに着手金を支払ったが、途中で委任を取り消したため返金があった
  • 補償対象の事故とはまた別の相談も一緒に行っていた

費用の名目だけでなく、「どの事故に関する費用なのか」も見られる点を知っておくと安心です。

上記のほかに、そもそも保険金が支払われないというケースもあります。
それについては次の「弁護士費用等特約の注意点」で解説してしますので、そちらも合わせてご確認ください。

弁護士費用等特約の注意点

弁護士費用等特約は、被害に遭ったときの心強い補償ですが、使うためにはいくつか重要な条件があります。
弁護士に相談したいと思ったとき、慌てて先に依頼してしまうと補償の対象外や減額につながることもあるため、事前に流れを知っておくことが大切です。

また、被害に遭った事故であれば何でも対象になるわけではありません。
対象外のケースも比較的はっきりしているため、「どんなときに使えないのか」もあわせて確認しておきましょう。

費用を払う前に保険会社へ連絡が必要

この特約で特に注意したいのが、費用を支出する前に保険会社へ連絡する必要があることです。

約款では、被害事故が発生し、法律上の損害賠償請求またはこれに関する法律相談を行う場合、事故発生日の翌日から180日以内に、かつ費用を支出する前に通知しなければならないとされています。
つまり、事故後に自分で先に弁護士へ正式依頼し、費用を支払ってしまうと、あとからそのまま補償を受けられるとは限りません。
まず保険会社へ相談し、対象になるかどうかを確認してから進めることが重要です。

補償の対象外になる主なケース

対象外になる主なケースとしては、故意による事故、戦争や暴動、地震や噴火などの大きな災害、被保険者の職務遂行に直接起因する事故などがあります。
被保険者同士の事故も対象外です。

さらに、被保険者が航空機や船舶、車両に搭乗中に生じた事故も対象外とされています。
建物や家財についても、自然の消耗や劣化、さび、かび、腐食、虫食いなどによる損害は対象になりません。
被害に遭った事実だけで判断せず、事故の原因や状況まで見られる特約だと理解しておくとよいでしょう。

相手から費用を回収できた場合は返還が必要なこともある

この特約は、実際に負担した費用を補償する仕組みなので、あとから相手方や裁判の結果によって弁護士費用が回収できた場合には、すでに受け取った保険金の返還を求められることがあります。

たとえば着手金が返還された場合や、判決で相手方から弁護士費用の支払いを受けた場合などがこれにあたります。
保険金を受け取ったら終わりではなく、その後の解決結果によって調整が入る場合もある点は覚えておきたいところです。

まとめ

火災保険の弁護士費用等特約は、自分や家族が被害に遭ったときに、相手へ損害賠償を請求するための弁護士費用や法律相談費用を補償する特約です。
個人賠償責任補償特約のように加害者側の賠償を補償するものではなく、被害者側として請求を進めるための費用をみる点が大きな違いです。

お家ドクター火災保険Webでは、保険期間中300万円を限度に補償されますが、事前連絡が必要であることや、車両搭乗中の事故、業務中の事故など対象外のケースがあることにも注意が必要です。
火災保険の特約を確認するときは、建物や家財の補償だけでなく、こうした費用補償の役割もあわせて見ておくと、自分に合った備えを考えやすくなります。

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